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■催事実績内容 〜 2018年 〜
■月例会

 
・第140回月例会 −歴史・文化に親しむ会−
 テーマ: 「古事記・日本書紀から正しい古代史を再建する」
 日 時: 2018年 4月25日(水曜日) 16:00〜17:30
 講 師: 光田 和伸 (みつた かずのぶ) 様
      ( 国文学者 )
 
古事記・日本書紀は、共に7世紀に天武天皇の命によって編纂されました。古事記・日本書紀はきわめて嘘の少ない書物ですが、巧みな省略によって読者が誤った理解に陥るように操作されており、古事記伝を書いた本居宣長はそのことに気づいていたはずと、光田先生は考えられています。その箇所についてご講義いただきました。 古事記に出てくる順番に神を並べると、最初の神が、天御中主神で、11世の神が伊邪那岐神・伊邪那美神で、12世の三貴子(天照大御神、月読神、建速須佐之男神)を産み、建速須佐之男神から5世後(最初の神から18世)の神が大国主神(出雲大社の御祭神)となります。30世天迩岐志国迩岐志天津日高日子番能迩迩芸命(ニニギノミコト)、31世火遠理命(山幸彦)、32世天津日高日子波限建鵜葺草葺不合命(彦瀲)、33世若御毛沼命(初代の神武天皇)と続きます。これは、中国の唐代の正史である新唐書には、「初主は天御中主神と号し、彦瀲に至るまで32世、・・。彦瀲の子、神武立ち、更めて天皇を以って号と為し、治を大和州にうつす」と記載されており、符号しています。 そして、28世が天照大御神であり、12世建速須佐之男神の姉の太陽神12世天照大御神として、系図の付け替えが行われたとお話しをされました。30世ニニギノミコトは天照大御神の孫にあたると認識しておりましたので、やはり28世天照大御神もありえると感じました。更に光田先生は、神武天皇の即位は紀元前660年とされているが、実際には卑弥呼の時代である180年頃の後、200年頃に卑弥呼を助けるために出雲から播磨を介して神武東征したのだとお話しされました。お話しをお聞きして、邪馬台国・機内説や九州説等との絡み等、今回のご講義を更に深堀したお話しを聴講したいと思いました。
 

 

中西 久幸 様

 

 
 

 
・第139回月例会 −歴史・文化に親しむ会−
 テーマ: 「万葉歌碑の文化情報」
 日 時: 2018年 3月28日(水曜日) 16:00〜17:30
 講 師: 中西 久幸 (なかにし ひさゆき) 様
      ( 磯城島綜藝堂 堂主・全国万葉協会 会員 )
 
日本最古の歌集「万葉集」には4千5百首ほどの歌が集められています。この歌の詞を刻んだものが万葉歌碑で、全国に2000基をこえる碑が建立されているそうです。その万葉歌碑の文化的意義と中西様の取り組みについてお話をいただきました。
40年以上の生涯をかけて万葉歌碑の情報を収集して「万葉二千碑」としてまとめられた故・田村泰秀さんの遺志を継いで活動され、平成20年春から、新設された200件を超える万葉歌碑情報を収集してホームページで発信されています。ホームページにはペンネーム「栗本幸麻呂」で記事を書かれています。 万葉歌碑は近世(江戸期)になってから、空間的歴史記録として建立され始めましたが、その地域は北海道から九州、更にはサンパウロにもあるようです。また、歌碑には、歌と共に、歌人名、揮毫者名、管理者が刻まれるそうです。 そして、例えば、巻5-803の山上憶良歌碑*1は29基といった様に同じ歌の碑がいくつも存在するそうです。 宮城県多賀城市には、清原元輔の歌碑*2があり、恋の歌ではありますが、末の松山を津波が超える事は絶対無いと詠んだ歌が刻まれています。869年の貞観地震の際の津波を引き合いにした歌ですが、東日本大震災時の津波も超えなかったそうで、私達の生活にとり、貴重な記録でもあると感じました。
先生のお話しをお聞きして、万葉歌碑は、必ずしも万葉歌が詠まれた場所に建てられては言えませんが、万葉集をその土地に即して、詠まれた場所とのかかわりを通じて、その地域に暮らす人々の生活、文化、社会、経済といった事を理解する為に有益なものだと理解しました。 *1:山上憶良「しろかねも くがねもたまも なにせむに まされるたからこに しかめやも」 歌意:銀も金も玉もなんの役に立とう。優れた宝も、子供が一番である子等を思ふ歌 *2:清原元輔「ちぎりぎな かたみにそでをしぼりつつ すゑのまつやま なみこさじとは」 歌意:約束したのにね、お互いに涙にぬれるそでをしぼりながら。末の松山を決して波が越すことなんてあり得ないように、二人の愛はかわらないと。  

 

中西 久幸 様

 

 
 

 
・第138回月例会 −歴史・文化に親しむ会−
 テーマ: 「熊楠の図と思想」
 日 時: 2018年 2月28日(水曜日) 16:00〜17:30
 講 師: 唐澤 太輔 (からさわ たいすけ) 様
      (龍谷大学世界仏教文化研究センター 博士研究員)
 
昨年8月の第132回月例会で「名言でたどる南方熊楠」という演題で、大胆で痛快な彼の人生をお聴きしましたが、再び、「熊楠の図と思想」というテーマで南方熊楠の深遠な図と思想の解説をしていただきました。
先回のご講演をお聴きして、「南方マンダラ」は、森羅万象を捉える方法を構想したもので、その対象である動植物等も宇宙を構成する領域の一つであり、いろいろな領域が入り混じり関わり合って神秘な環境(宇宙)体系について整理したものと認識していました。今回、「事の学」「熊楠の生命の樹」等の多様な図についての解説をお聴きして、 私達が身をおく社会の出来事、交わり、様々な出会い、その結果生じる人の心の変化を体系化しようとしたものであるのではと思いました。理解できない点も多いのですが、特に、心、物、事、印、名、縁、起、因、果について、特に、印象に残りました。
心とは、広く人間の精神世界を指す。物については、現実世界で形を成して存在するもの等、外界の物事を指し、自然科学や物理学の分野はこの対象だそうです。事とは、外界のものごとに心が接した時、心の中に生じる様々な想念(美の概念、夢、想像や思考等)を指すと理解しました。物と心が交錯接して事が生じ、これを繰り返すとまとまった事となり、名(伝説、習慣、宗旨等)を残す事になる。また、事を心から具体的に想起することができるようになるとそれが印だと理解しました。縁は、瞬間に出会うものでこれが重なる事で因果が形成され、そこから別の行動が生まれる事を起と理解しました。講演にご参加された方から「男性と女性の出会い、婚姻」が「物、心、事、縁、印、果、起、印」に例えられるのでは?」と質問され、妙に納得してしまいました。
なかなか理解できないのですが、次の機会があれば、南方マンダラと真言密教の曼陀羅等と何が違うのかお話しを聴きたいと思いました。  

 

唐澤 太輔 様

 

 
 

 
・第137回月例会 −歴史・文化に親しむ会−
 テーマ: 美術・工芸シリーズT-3
      「漆でアート? 美術→工芸→漆芸」
 日 時: 2018年 1月24日(水曜日) 16:00〜17:30
 講 師: 栗本 夏樹(くりもと なつき)様  (京都市立芸術大学教授)
 
美術工芸シリーズT-3として漆造形作家で京都市立芸術大学教授でもある栗本夏樹様をお招きし「漆でアート? 美術→工芸→漆芸」と題しお話をいただきました。
先生は、高校に進学されて、日本拳法部、映画研究会、美術部(油絵)と各種体験を経て、美術の先生になろうと思われたそうです。進学予備校に通う中で、工芸というより造形のすばらしい八木一夫の陶芸作品に出会い、焼物の道を目指そうと京都市立芸術大学の工芸科に進まれたそうです。しかしながら、大学1年で受講必須の陶器、染織、漆の体験を通して、古来の漆工芸ではなく漆造形という世界ならパイアオニアになれるかもしれないと感じ、以来、漆造形の道に進まれ、現在は、大学で漆芸を教える事とご自身の作品を作る事をお仕事にされているそうです。
漆を単に塗料や接着材の材料としてではなく、「再生する/命を生み出す」為の橋渡しをするものとして捉え、使命感や責任を感じ漆造形に取り組んでおられるそうです。映像によりご紹介いただいた様々な作品(車のボンネット/ケヤキの樹皮/荷造り用紐/紙/紙管等に漆をほどこした)に、生み出された新しい命(新しい価値創造物)を感じました。「漆造形により人間を追い求めている、表現の完成度を追求している」というお話しをもっとお聞きし、可能であればディスカスしてみたいと感じました。  

 

栗本 夏樹 様

 

 
 
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