・第64回月例会 −歴史・文化に親しむ会−
日 時: 2011年12月21日(水曜日) 18:00〜20:00
テーマ: 「イノベーションへのチャレンジ −より長く、より高く−」
場 所: 梅田エステート・ビル5階
講 師: 堂垣 正博 (どうがき まさひろ)様 (関西大学 環境都市工学部教授)
2011年度最後の月例会に、関西大学の堂垣正博教授をお招きして、東京スカイ・ツリーを
題材に、その設計、建設、地震国ならではの耐震技術などについて土木技術者の視点から
お話しを頂きました。東京スカイ・ツリーは、来年5月22日の開業に向け現在建設中ですが、
完成すると世界で最も高い電波塔(634m)として出現します。また、トルコ、イタリアなどでも
日本の技術力を背景に、明石海峡大橋(2,000m)を上回る長いつり橋の建設に挑んでいます。
この様に、技術者はより長いもの、より高いものを求め、常にその限界に挑戦しています。
チャレンジは新たな科学や技術を生み、学術は進化し続けます。しかし、これらの科学技術の
進化には歴史的・文化的な背景も大きく影響しています。最先端の技術には、日本の伝統的な
技(わざ)が至る所で活かされています。
興味深いたくさんのお話を頂きました。
・ドイツ旅行報告会
日時: 2011年12月21日(水)15:00〜16:30 (総会前の90分)
場所: 梅田エステート・ビル5階会議室
内容: ドイツ旅行(10月3日〜13日)の報告 (資料、写真などで報告)
報告: 今中康文、藤好洋、高木哲、金井深水、田原逸雄
・2011年忘年会
日時: 2011年12月21日(水)20:00〜22:00
場所: 「がんこ」梅田本店
〒530-0012 大阪府大阪市北区芝田1-5-11(猪井梅田ビル1〜3 階)
(電話)06-6376-2001
(月例会会場「梅田エステート・ビル」から徒歩1分)
・第63回月例会 −歴史・文化に親しむ会−
日 時: 2011年11月30日(水曜日)18:00〜20:00
テーマ: 「ヨーロッパ統合を支える外国語教育の思想」
−理想と現実−
場 所: 梅田エステート・ビル5階
講 師: 杉谷 眞佐子 (すぎたに まさこ)様 (関西大学 外国語学部教授)
「ドイツ語教育学」、「言語教育政策」、「異文化間コミュニケーション」が
ご専門の杉谷眞佐子教授をお招きして、お話を頂きました。
日本では、「外国語=英語」という公式が成り立つくらい外国語と云えば英語が中心となって
いますが、言語の違う多くの国々が国境を接して暮らしているヨーロッパでは、産業革命の進展と
共に様々な生活次元で相互交流が進んでいくなかで、先ずは隣国の言語を学び生活習慣を知ること
に外国語教育の重点がおかれています。
つまり、外国語を学習する事と、その言語が話される社会・文化を学習する事とを切り離すことは
できないという事だそうです。
27ヵ国もの国が参加するEU(欧州連合)と云えば経済的・政治的な共同体ですが、その統合の
中核にあるのは実は、相互理解を進める教育・文化政策や複数外国語(言語)教育の推進です。
他方、日本の英語教育界では「リンガ・フランカ(Lingua franca)」として英米文化や社会と
切り離し、例えばアジアで使用される英語などを中心に教えていく動きもみられます。
このようにグローバル化する世界で、その重要なコミュニケーション手段である「言語/外国語」
の扱い方、公教育での位置づけ、指導要領などに様々な違いが生じてきています。
このような、ドイツを中心に統合が進むヨーロッパにおける特徴的な外国語教育政策や、
日本やアジアにおける外国語教育の展望についてお話を頂きました。
・第62回月例会 −歴史・文化に親しむ会−
日 時: 2011年10月26日(水曜日)18:00〜20:00
テーマ: 「ひと手間かけて、環境を紡ぐ、からだ・・と・・里山里地」
場 所: 梅田エステート・ビル5階
講 師: 金田 由紀夫 様 (かねだ ゆきお)様 (環境カウンセラー市民部門)
学校や市民団体など市民部門からの相談に対して、適切な助言・指導を行っておられる
「環境カウンセラー市民部門」の金田由紀夫様にお話をいただきました。環境カウンセラーとは、
環境省により認定・登録されている環境カウンセリングを行う人材のことです。
地球温暖化に備え、京都議定書COP3で決まったCO2削減目標6%の内、省エネでの
削減はたった2.2%で、何と残りの3.8%は森林育成活性化推進で実現するというものです。
森林育成活性化の具体的取り組みとして、名古屋議定書COP10では51の国や企業が参加する
「SATOYAMA(里山)イニシアティブ」が発足し、「里山」は世界共通語として
認知されているそうです。山と里地、そしてその境界にあたる里山の保全が、植物動物の豊かな
生物多様性を促し、結果、CO2削減に繋がってゆくとの事。
また、金田様が活動された、@南丹市郊外の放置田畑の復活を目標とした稲作/ソバ栽培推進
A山梨県、長野県での薬草/薬樹の調査指導 B京都市北区の山林地区/河川源流の清掃と
民間林の整備活動 Cカナダ/バンクーバ郊外のオリンピック跡地と離れ島の植生調査
D上海及び郊外小学校でのビオガーデン造りの指導 についてもお話をいただきました。
これらのお話等を通して、改めて「自然の恵みが私達に生活の潤いと活力を与えてくれている」
事を改めて強く感じました。
金田さまからご提供いただいた長野県産のリンゴである「秋映」、「しなのスゥイーツ」、
「しなのゴールド」、「ふじ」を試食しながら生物の豊かさを実感すると共に、「里山里地」を
大切にしなければと思う月例会でした。
・第61回月例会 −歴史・文化に親しむ会−
日 時: 2011年9月28日(水曜日)18:00〜20:00
テーマ: 「海を渡るイノシシ」
場 所: 梅田エステート・ビル5階
講 師: 高橋 春成 様 (奈良大学教授)
生物地理学という専門分野の視点から「シシ垣」を研究されておられる
奈良大学教授の高橋春成様をお招きしてお話をしていただきました。
皆様は、海を泳いで渡る「イノシシ」のテレビ・ニュースをご覧になったことがありますか?
実は、中国・四国地方や九州地方では海を泳ぐ「イノシシ」は結構頻繁に目撃されているようです。
「イノシシ」が海を泳ぐのは、それだけ生息分布が拡大していることを意味しています。それは、
反面、「イノシシ」による農業被害が拡大しており、その被害額は年間50億円に達しています。
「シシ」を漢字で書くと、猪(シシ)、鹿(シシ)、猪鹿(シシ)となり、古来から、貴重な
タンパク源として食用に狩猟されてきましたが、同時に農作物に被害を与える害獣でもあります。
これらの害獣が耕作地に入ってこないようにと、山と農地の境界に作った石垣を「シシ垣」と云います。
「シシ垣」は、「イノシシ」がいない北海道や少なかった東北地方を除き、ほぼ全国的に様々な
形態の「シシ垣」が残っています。
「シシ垣」は、害獣を防ぐ防護壁ですが、それは同時に農民の生活が深く刻まれている
「農民の文化財」です。高橋先生は、「シシ垣ネットワーク」という組織を立ち上げ、
「シシ垣」の保存と活用に取り組んでおられます。
ブタに姿を変え海を渡った「イノシシ」、新天地で野生化したブタなどもとりあげ、人間と「イノシシ」
の関係をご紹介や、人間の生活を取り巻く「生物圏」で今何が起こっているのか、お話を頂きました。
・第60回月例会 −歴史・文化に親しむ会−
<講演>
日 時: 日 時:2011年8月24日(水曜日)18:00〜19:40
テーマ: 「世界文明の形成−西半球と東半球−」
場 所: 梅田エステート・ビル5階
講 師: 藤井 龍彦 様 (国立民族学博物館名誉教授)
人類学者で特にアンデス文明に関する研究成果が多い「藤井名誉教授」をお招きしてお話を
頂きました。文明の進化を西洋、東洋という形で区分し進化を論ずるのではなく、
ユーラシア大陸である西半球 (第一地域)と、南北アメリカ大陸の東半球(第二地域)に分け、
それぞれが並行的に進化してきたと論ずる「民族学博物館初代館長 梅棹忠夫氏」の
「文明の生態史観」を紹介されました。第二地域の南アメリカ大陸で強大な勢力を誇っていた
インカ帝国も、第一地域のユーラシア大陸からわずか168人のスペイン部隊を引き連れてきた
ピサロにあっけなく滅ぼされてしまったのは、第一地域である西半球世界と第二地域である
東半球世界の文明の形成過程の大きな違い(異なる経路をたどって発展)に起因しているとの事。
青山学院大学 進化生物学の「福岡伸一教授」が「文明もやはり、動的平衡のうえで、
変化しつづける」との提唱や、ダイヤモンドが、「銃・病原菌・鉄−1300年にわたる人類史の謎」
の著書の中で、「歴史は、異なる人々によって異なる経路をたどったが、それは人々のおかれた
環境(地理的位置、気候、家畜・栽培化可能な動植物)の差異によるものであって、
人々の生物学的な差異によるものではない」と書いているとの紹介等、「文明の生態史観」に
関して論じられている事についてご説明をいただきました。ご講演の後、ペルー料理店「クスコ」にて、
珍しいペルー料理を賞味しながら藤井先生からアンデスの生活文化についてのお話もお聞きしました。
<懇親会>
日 時: 日 時:2011年8月24日(水曜日)20:00〜22:00
場 所:
ペルー料理店 「ラテンキッチン クスコ」
大阪市北区堂島2−1−16 フジタ東洋紡ビル 1F
TEL:06−6341−0945
・第59回月例会 −歴史・文化に親しむ会−
日 時: 2011年6月22日(水曜日)18:00〜20:00
テーマ: 「平安京以前の京都」
〜 渡来人と渡来文化の実相 〜
講 師: 井上 満郎(いのうえ みつお)様
(京都市歴史資料館長/京都産業大学名誉教授)
長年渡来文化との関係史をご研究しておられる井上満郎先生をお招きして、
「平安京以前の京都」というテーマでお話を頂きました。
2000年前に中国で制作された貨幣「貨泉」が日本でも出土される事から、随分早くから渡来人の
流入があった。「平安京」は、794年10月22日に誕生した。その文化形成繁栄にも渡来人が
大きな役割を果たしている。渡来人の「秦氏」の勢力を示す記録があり、「政事要略」には、
「秦氏が中国秦の昭王につながる渡来人で、今の桂川周辺にて力をつけた」とある。
桂川周辺には400年後半から500年後半に造られた大きな古墳が
いくつもあり、これは秦氏が稲作を持ち込んで力をつけたからだとの事。「本朝月例」の
「701年に秦氏が松尾大社を奉請した」記録、「二十二社註式」の「711年に伏見稲荷神社が
造営され、秦氏が神官であった」記録等が、秦氏の京都での勢力を示している。
平安時代の初め815年に成立した「新撰姓氏録」には、「秦」「漢」「坂上」等の渡来人の姓氏
の記録が全体の30%を占めており、秦氏も含め渡来人がかなりの力を持っていた事を示していると
いったお話をいただきました。井上先生のお話をお聞きして、「平安京は渡来人が支えていた」と
強く感じた。ちなみに、平安京を定めた「桓武天皇」はその母方の祖先をたどると
「和 乙継(やまとのおとつぎ)」という渡来人だそうだ。
・第58回月例会 −歴史・文化に親しむ会−
日 時: 2011年6月22日(水曜日)18:00〜20:00
テーマ: 「神話の古里・古代出雲の謎と魅力」
講 師: 高橋 徹 様 (フロンティアエイジ編集委員)
古代史がご専門の「高橋 徹 様」にお越し頂き、古代出雲の謎や魅力についてお話頂きました。
『古事記』『日本書紀』に記述の3分の1が「出雲神話」が占めているにもかかわらず、歴史的資料が
何も無く、長い間、作り話しだと思われてきたとの事。しかし、「出雲」が重要な歴史的役割を果たした
であろう事を裏付けるように、1984年に神庭荒神谷遺跡で358 本もの弥生銅剣が出土され、
加茂岩倉遺跡からは39個の銅鐸が出土する等、出雲で驚天動地の大発見が相次ぎ、「出雲神話」に
は歴史事象が反映していると考える研究者も増え、「出雲神話」である「出雲国風土記」の評価が
にわかに高まってきているようです。奈良・明日香村の高松塚の極彩色壁画出土、島根・神庭荒神谷遺跡等、
全国の主要な発掘発見報道にたずさわってこられ、「出雲の鉄刀」、「発掘された謎の邪馬台国」等の
著書もあり、大変ロマンティックに古代出雲の話をしていただきました。
・第57回月例会 −歴史・文化に親しむ会−
日 時: 2011年5月25日(水曜日)18:00〜20:00
テーマ: 「中国の都市はどう変わったのか」
講 師: 石原 潤 (いしはら ひろし)様 (奈良大学学長)
奈良大学学長の石原潤先生に、最近の中国についてご講演頂きました。
革命後の計画経済期(1949年〜1978年)の都市部では、国家から土地の利用権を工場・大学・病院等の
事業単位に無償で分与され、人々の就職先は国家が計画的に配分し、住居はアパートで仕事場に
隣接して配置、家賃は安く医療をも保障、退職後も給料に近い年金が支給されるといった
「ゆりかごから墓場まで」の社会保障が事業単位で実現していた。
しかしながら、1979年以降の改革解放期となると、工業は経営の自由化、商業は大部分を民営化する
という処置がとられ、土地も国家で企業や個人に対して有償で貸与する方式がとられ、結果、
企業間競争が生じ、地価(利用権)が高騰し、アパートの払い下げが始まり、個人で住宅を賃貸・購入
する必要が生じ、高層マンション建設が盛んとなっているという。
結果、貧富の格差が広がり、高級住宅地もあれば、資本主義諸国と同様の
都市問題が発生し、貧民窟(スラム)が発生している状況が今の中国であるとの事。
社会主義都市から市場経済都市へと変貌する中国の都市事情にびっくり。反面、街並み等の景観や
街それぞれの文化を大切に継承するという心が中国の人々にはあるのだろうか?と疑問を感じた
一時でした。
・第56回月例会 −歴史・文化に親しむ会−
日 時: 2011年4月27日(水曜日)18:00〜20:00
テーマ: 「江戸時代の素晴らしさ再発見」
講 師: 川島 靖男(かわしま やすお)様 (大阪芸術大学教授)
新渡戸稲造が出版した英語版「武士道」は、米国ルーズベルト大統領等世界中の方に絶賛された。
義、勇、仁、礼、誠、名誉、忠義の項目により、武士(高い身分の者)が世のため
人のために民衆を導く道徳の規範を定めたものであり、この人の道が庶民まで浸透し、結果、
江戸時代は世界的にも豊かな社会であったと力説された。映画TVの悪代官等、民衆を苦しめた
武士のイメージが強いが、一揆や暴動が起きた件数は、2005年の中国が1年に85000件
であるのに対し、天明の飢饉の時でさえ1年間に平均23件程度と大変少ない。武士は農村に立ち入らず、
村が費用を出して寺子屋を運営する等、村方三役が農村の行政福祉業務を行ったので、就学率は、
農村を含め70〜80%という世界一となった。この寺子屋にて、礼儀作法等の躾がゆきわたり、
「江戸しぐさ」というマナーも生まれた。武士は貧しいが、武士道に照らして庶民を慈しみ、
庶民は武士を敬う。それぞれの立場で精一杯社会的役割を果たす。東日本大震災で示され世界から
絶賛された、秩序、互助精神、気高さと勇気は、武士道の心がDNAとして生き続けているからだと、
力説され、「経済的豊かさを追求するのではなく、文化や伝統を大切にして、市民一人一人が社会
(地域)のお役に立っているという精神、心が大切だ」と締めくくられました。
お話しを聞きながら、「京都で最初の小学校を設立したのも商人」だった事を思出だすと同時に、
役所がしてくれないと不満だけを言うのではなく、それぞれができる事をやらねばと思う
一時でした。
・第55回月例会 −歴史・文化に親しむ会−
日 時: 2011年3月23日(水曜日)18:00〜20:00
場 所: 大阪市梅田東学習ルーム
テーマ: 「上方の子守唄の心をたずねて」
〜魅力的なシニアと可愛いオサナゴのすてきな時間の為に〜
講 師: 齋藤 壽始子 (さいとう としこ)様
(児童文化研究会 ささゆり舎 代表)
児童文化をご研究の傍ら、児童文化活動の指導者の養成にご尽力されておられます「齋藤壽始子様」に
お話しいただきました。
「三つ子の魂百まで」「七つ前は神の内」「子宝」と言われる様に、日本は
それはそれは慈しんで大切に子育てをする文化を持っているとの事。西洋人宣教師が、「日本国にて
もっとも善良なるは少年の教育にて、・・・子育てに温和な方法がとられている」という記録を残して
いる。名付け祝い、初節句、初宮参り、産屋祝い等様々な産育習俗もこの現われ。そして、その育児の
中で、「ねんねころりよ、おころりよ・・・」といった「上方子守唄」「とおりりゃんせ」等の伝承童謡、
童謡等は、乳児期/幼児期の子どもの「見聞きしたものを体系的に把握し人と成る」学習に大きな役割を
果たしてきたが、残念かな消えつつある。シニアとして、子育てを考え、社会の仕組みを伝える等、
オサナゴを友として生きる役割を果たそう!とお話しをされました。
ご参加いただいたシニアの世代の方からは「お孫さんとの接し方」に関する質問も飛び出す等、
「産業中心の社会から、人の生涯を考える社会への変化に何が必要か?」について考える
有意義な時間となりました。
・第54回月例会 −歴史・文化に親しむ会−
日 時: 2011年2月23日(水曜日)18:00〜20:00
場 所: 大阪市梅田東学習ルーム
テーマ: 「パリ駐在の経験」
〜パリはどんなところか、大阪の街づくりに活かせるところはあるのか〜
講 師: 川端 健一(かわばた けんいち)様
(財団法人大阪国際経済振興センター 常務理事・事務局長)
講師としてお招きしました川端健一様は大阪市という地方自治体の職員という立場で3年間パリに駐在されましたこのご経験を通じて得られたパリの街づくりに関する興味あるお話しをいただきました。パリと大阪市はよく似通った街で、共に大きな河が中央に流れ、周辺都市との間で毎日大量の人々の流出入があり、人口はパリ約220万人に対して大阪市は約266万人、面積はパリが約100平方kmに対して約222平方kmと似通っているとの事。しかしながら人口密度は圧倒的にパリが高い。
そんなパリではあるが、「自動車交通量を40%削減」「公共交通を30%増加」「モータの無い移動手段を19%増やす」等の目標を立て、交通や道路整備により渋滞を緩和すると共に、周辺都市からのアクセスが実に効率よい街づくりを進め着実に成果を上げているというお話しにびっくりしました。
パリを参考にもっと素敵な大阪市の街づくりができるのではと感じた一時でした。
・第53回月例会 −歴史・文化に親しむ会−
日 時: 2011年1月26日(水曜日)18:00〜20:00
場 所: 大阪市梅田東学習ルーム
テーマ: 「脳による体温の調節と発熱のメカニズム」
講 師: 松村 潔 (まつむら きよし)様
(大阪工業大学 情報科学部教授)
医学博士で大阪工業大学教授の松村先生をお招きして、長年の研究成果である「人間の体温調節という
機能メカニズム」について解説して頂きました。脳幹の「視床下部」に「体温調節中枢」がある。
暑い時には汗を出して熱を放出、寒い時には骨格筋の「ふるえ」によって体内の熱を増やしたり、
皮膚の血流を低下させ体表面からの放熱を防ぐように働く。しかし、平熱が保たれるはずなのに、
病原体に感染すると平熱より高くなる。これは、「体温調節中枢」が平熱より高い温度が「適温」になるよう
設定変更(発熱スイッチ)するからだそうだ。病原菌に対して身体を守るため、@高温で病原菌の増殖を抑制
したり、A高温で免疫機能を強化するためだそうである。「体温調節中枢」の「発熱スイッチ」として機能する
受容体を持つ神経細胞が突き止められ、病原体が原因で発熱するとPGE2「プロスタグランジンE2」が
脳脊髄中に放出され、「発熱スイッチ」と結合すると体温を上げるよう働くのだそうだ。そして、ビックリかな、
解熱剤は、この「発熱スイッチ」とPGE2が結合して病原菌増殖抑制と免疫機能強化の働きを阻害するものだ
そうです。医師と相談しながら使用するもので、やたら使用するものではないのだと納得する等、人のメカニズム
の不思議さを感じるお話しでした。