・第88回月例会 −歴史・文化に親しむ会−
テーマ: 「大正・昭和の道頓堀文化」
日 時: 2013年12月18日(水曜日) 18:00〜20:00
場 所: 梅田エステート・ビル 5階会議室
講 師: 長谷 洋一 (はせ よういち)様 (関西大学文学部教授)
2013年12月度は、講師として関西大学の長谷洋一先生にお越し頂き、大正・昭和の時代の
道頓堀文化について、特に、劇場に関する戦前までのさまざまな資料を通して劇場文化が
大阪の文芸を支えてきたことをご紹介して頂きました。道頓堀は、今では「食い倒れ」の街、
歓楽の街としてのイメージが強い処ですが、そもそもは演劇の街が主流で、それに付随する形で
食が発達したとの事です。道頓堀川が完成したのが1615年、江戸時代の始めで、それを機に
川の両岸に多くの芝居小屋が立ち並び、演劇の街として発展しました。因みに心斎橋筋は、道頓堀の
芝居小屋街と新町の遊郭を結ぶ通路が商店街として発達したものだそうです。道頓堀は正に
日本の文化・芸能の中心地だったそうです。今でいうニューヨークのブロードウエイの様な感じです。
この様に、昭和の終わりまでは道頓堀には「五座」とよばれる劇場が立ち並んでいました。
「浪花座」「中座」「角座」「朝日座」「弁天座」の五つの劇場のことで、1653年に
芝居名代5株が公認されたことに始まる長い歴史のある劇場でした。しかし、これらの劇場も
さまざまな世相の変遷や経済的な背景にも翻弄され、昭和の終わりから平成の始めにかけて、
道頓堀五座は事実上消滅し現在に至っています。お話をお聞きしながら、地盤沈下しつつある
大阪の抱えている今日的な問題について、考えさせられました。例えば、「道頓堀川ににプールをつくる」
という構想は、道頓堀に老若男女を呼ぶ込み事ができるのだろうかと?
・第87回月例会 −歴史・文化に親しむ会−
テーマ: 「エリゼー条約後50年の独仏関係について」
日 時: 2013年11月27日(水曜日) 18:00〜20:00
場 所: 梅田エステート・ビル 5階会議室
講 師: フローリアン・イェーガー 様 (ドイツ総領事館 領事)
ドイツ領事のフローリアン・イェーガー様をお招きして、総領事館の方に日本語で通訳して頂く形で
お話をいただきました。
ドイツとフランス両国民は、約60年前迄、普仏戦争、第一次世界大戦、第二次世界大戦と
三度の戦争で殺し合い、宿敵としてお互いに深い憎しみを抱いていました。
しかし、1963年1月22日、仏大統領府(エリゼー宮)でフランスのドゴール元大統領と
西ドイツ(当時)のアデナウアー元首相が独仏協力条約に署名し、この所謂「エリゼー条約」を
契機に両国が戦後和解を確認し、欧州統合を主導する両国の「特別な関係」の土台となったそうです。
今年はその50周年の記念の年に当たり、独仏両国はもとより日本においても様々な記念行事が
取り行われたとの事。また、ドイツとフランスは過去の歴史を乗り越える為に、様々な努力を続けて
来ているそうです。例えば、両国の間では若者達にお互いの国を訪問させて理解を深めさせる
交流プロジェクト(deutsch-franzosisches Jugendwerk)が何十年も前から行われています。
また、両国は独仏旅団という共同の戦闘部隊、二つの国の間には同じ番組をドイツ語とフランス語で
放送するARTEという公共放送局、独仏の学者が執筆した共同の歴史教科書の出版も
その取り組みだそうです。更には両国は二国間だけの関係に留まらず、両国がEUの設立国となり
ヨーロッパ全体の協力関係が更に深まることに貢献していると、様々なお話をいただきました。
・第86回月例会 −歴史・文化に親しむ会−
テーマ: 「約2000年の文字の変遷について 」
日 時: 2013年10月23日(水曜日) 18:00〜20:00
場 所: ギャラリー・ミューゼポンヒゴ 2階
講 師: 三木 響花 様 (書道家)
書道家の三木響花様をお招きして「書」についてお話を頂きました。
本来象形であった絵文字が、やがて抽象化され記号としての文字に発展していく、と云うのが文
字発祥の過程です。中国で発祥したとされる漢字もまた例外ではなく、文字として認められる時期
は諸説あるようですが、明確な証拠としては紀元前1600年に遡るようです。日本は文字を持って
おらず、紀元後5世紀頃から漢字を使用するようになりましたが、日本人の固有のものを表わす為
にはどうしても独自の文字を持つ必要がありました。それが「ひらがな」であり「カタカナ」です。
三木響花様には、文字が象形からどの様に単純化され、また、線芸術としてどの様に書を担って
いったのかを、時代を追って、約2000 年の文字について、占いの亀甲獣骨文からはじまり、
金文、古文、籀文、小篆、古隷、近隷、章草、近草、行書、楷書の順に変遷してきたとのお話を
頂きました。楷書が生まれた後に、それを崩した行書が生まれたのだと思っていたので、
ビックリしました。「アート和輪環展」で展示していた「書」についても感想をいただきました。
また実演もしていただきました。楷書を書くとき、繰り返し手の甲と手の平を返すように書くと
美しく書ける三折法には目から鱗でした。
・第85回月例会 −歴史・文化に親しむ会−
テーマ: 大いびきと危険な眠気
〜 睡眠時無呼吸症候群 〜
日 時: 2013年 9月25日(水曜日) 18:00〜20:00
場 所: 梅田エステート・ビル 5階会議室
講 師: 西村 忠郎 (にしむら ただお) 様
(藤田保険衛生大学 名誉教授)
藤田保健衛生大学名誉教授の西村忠郎様に、健康だと思っている我々にも気になる「睡眠時無呼吸症候群」
についてお話を頂きました。
西村様は、「ためしてがってん」のTV番組に「睡眠時無呼吸症候群」で出演されたそうです。録画ビデオを
見せていただきました。睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome、SAS)は、1976年、ギルミノー教授
(米国スタンフォード大学)により「7 時間の睡眠中に10秒以上持続する無呼吸が30回以上認められるもの」
と定義されているそうです。無呼吸には中枢性、閉塞性(末梢性)、混合性の3型がありますが、そのうちの約8
割が閉塞性であり、鼻腔、口腔、咽頭、あるいは喉頭などに基因しています。閉塞性SASでは、大きな
いびきが必発であり、SASといびきとの関係は密接との事。睡眠中、大いびきをかいていて熟睡しているよう
に思われても、実際には睡眠が分断され、眠りが浅いことが多く、従って、日中、睡魔にしばしば襲われ、
仕事に支障をきたしたり、交通事故の原因となることもあるそうです。呼吸が正常にできない事から血中酸素を
確保する為に心臓に負担がかかるため、SASを放置すると高血圧症になったり、心筋梗塞や脳梗塞のために
寿命を縮めるようで、手術によって、高血圧な方が正常に戻ったり、生存率が高まる事が実証されていると
の事。これを実証するため、術後の167例の方を10年5ケ月も観察されたお話には、とってもビックリ
しました。
・第84回月例会 −歴史・文化に親しむ会−
テーマ: 「TV特派員の見たベルリンの壁崩壊と東ドイツ」
日 時: 2013年 8月28日(水曜日) 18:00〜20:00
場 所: 梅田エステート・ビル 5階会議室
講 師: 宮 隆啓 (みや たかひろ) 様
(株式会社MBS企画 専務取締役)
東西両ドイツの統一という激動の瞬間に、テレビ局の特派員として壁の前に立ち、ベルリンの
生々しい様子を日本に送り続けた宮隆啓様をお招きしてお話しを頂きました。
実際にベルリン壁の人為的・物理的破壊が始まったのは1989年11月10日ですが、
崩壊の日付は11月9日に東ドイツ政府が東ドイツ市民に対して、旅行許可書発行の大幅な
規制緩和を「事実上の旅行自由化」と受け取れる表現で誤発表し、ゲートを開放してしまった
日付とされています。
ベルリンの壁は、周囲160キロ(東ドイツ115キロ、ベルリン45キロ)、1961年8月に
構築され、240の監視所があって、崩壊される迄の28年間に計200人の死傷があったそうです。
宮氏は、ジャーナリストとして行った下記一連の興奮の取材を語っていただきました。
・1989/10/4-8 東ベルリンに入り、10月7日の東ドイツ建国40周年式典等を取材。
最高指導者のホーネッカーの最後の時
・1989/10/18 ホーネッカーの書記長、国家評議会議長を辞任
・1989/11/4 東ドイツ 100万人デモ
・1989/11/9 東ドイツ 党広報担当シャボウスキー会見。
旅行規制緩和発表 「東ドイツの市民は選別されることなく西ドイツへ行ける」
身分証明書にスタンプを押してもらって西ドイツへ出ているのを目撃
・1990/7/1 通貨統一
・1990/10/3 東西両ドイツ統一
お話をお聞きして、東ドイツは、西ドイツに比べ、生活は悪くなく、女性の就業率も高い国で
あったが、「西へ行きたい。旅行の自由が欲しい」と自由を強く求める心が、この壁の崩壊に
つながったという事実に驚かされました。
・第83回月例会 −歴史・文化に親しむ会−
テーマ: 大阪の元気を創造する なにわの町衆達
〜いちびり・はんなり・ほんまもん〜
日 時: 2013年 7月24日(水曜日) 18:00〜20:00
場 所: 梅田エステート・ビル 5階会議室
講 師: 野杁 育郎(のいり いくろう) 様
(株式会社せのや社長、なにわ名物開発研究会 会長)
大阪みやげの人気店「なにわ名物・いちびり庵」を展開する「せのや」社長の野杁育郎様に
お話をいただきました。
皆さんは、「いちびり」「はんなり」「ほんまもん」という
大阪弁をご存知ですか?「いちびり」の本来の意味は「市振り」で、せり市で手を振って
値の決定をとりしきる事または人のことだそうです。転じて、物事のリーダーシップを
とる事または人のことも含意するようになったとのことです。
「せのや」の創業は古く十六世紀末の天正年間に遡る所謂老舗ですが、本家「せのや」は
昭和の戦前までに商売を止め、分家の「せのや」が引き続き文房具店を営んでこられました。
野杁育郎様は四十年ほど前に文房具店を引継がれ、その後ファンシーグッズの店に転換したり、
競争環境が厳しくなると商品構成を大胆に変え続け今日に至っておられます。
商売の一方で、まちづくりなくしては事業の発展もないと云うご認識から、1996年に
業種・分野を超えたネットワーク組織『なにわ名物開発研究会』を設立され、商品開発と
同時に大阪のまちづくりにも取り組んでおられます。
大阪湾で採れた海苔を利用した海苔カップ、お好み焼きせんべい、こってり甘辛たこ焼味の
サクサク野菜チップス、大阪産のお肌に優しい無添加桶谷浴用石鹸等たくさんの開発商品を
紹介いただきました。
大阪人は大阪の魅力を知らなさ過ぎる、もっと大阪を知ろう、『大阪の良さ』がソフトパワーとなり、
『文化の仕掛け』で客を呼ぶことが出来る、「大阪は産業都市とともに文化都市を目指す」と、
力強くお話しを頂きました。
・第82回月例会 −歴史・文化に親しむ会−
テーマ: 「リコーダーって縦笛のことですか?」
日 時: 2013年 6月26日(水曜日) 18:00〜20:00
場 所: 梅田エステート・ビル 5階会議室
講 師: 村田 佳生 (むらた よしお) 様
(リコーダー奏者)
欧州で本格的に「リコーダー」を学んで帰国されたリコーダー奏者で
現在は日本における演奏活動でご活躍中の村田佳生様を講師としてお招きし、
ドイツ語の「ブロック・フルート」の「ブロック」とは何かとか、そもそもいつ頃
表舞台に登場した楽器なのか等、デモンストレーションや素晴らしい
リコーダー演奏を披露も交えながら、「リコーダー」が持つ意外に知られていない
奥深い歴史の一端をご紹介頂きました。
小学校の頃、プラスチックのリコーダをランドセルにぶらさげて通学した事を
思い出しました。「リコーダー」が小学校の教材として使われ始めたのは
昭和34年からで、昭和22年生まれの団塊世代が小学校6年生の時からなんだ
そうです。
「リコーダー」は、ドイツ語では「Blockflote(ブロック・フレーテ)」と呼び、
Flote(フレーテ)と云うのは、所謂「フルート」の事で、実は18世紀半ば頃までは
「フルート」と云う呼び名は「リコーダー」を指していたという事。
後に登場する横笛の「フルート」と区別する為に、「リコーダー」を
「ブロック・フルート」と呼ぶようになったとの事、リコーダにもアルトリコーダ/
テナーリコーダ/ソプラノリコーダ等たくさんの種類があって演奏の方法や音色も
異なる事等、ビックリするお話ばかりでした。
・第81回月例会 −歴史・文化に親しむ会−
テーマ: 「 ヨーロッパにおける動物保護と法 」
〜 とくにドイツの例を中心に 〜
日 時: 2013年 5月22日(水曜日) 18:00〜20:00
場 所: 梅田エステート・ビル 5階会議室
講 師: 浅川 千尋 (あさかわ ちひろ)様
(天理大学 人間学部総合教育研究センター 教授)
憲法等法律がご専門の天理大学浅川千尋教授にお越し頂き、法律という視点で、
日本との比較をしながらヨーロッパ(とくにドイツ)の動物保護および動物保護法
制度の現状を紹介して頂きました。
ヨーロッパでは、古代から狩猟の盛んな文化圏のため、猟犬としてのイヌとの共存に長い歴史が
あります。特に、イギリスやドイツなどには愛犬家も多く、動物保護先進国といわれている国々です。
ドイツで動物保護法が制定されたのは、なんと1933年ナチス政権時代だそうです。
それらの国では、いわゆる「殺処分」は原則行われていませんし、また、「動物実験」も厳しい規制の
下でしかできない仕組となっています。さらに、野良猫・犬などは、「動物保護施設」で保護されてお
り、日本の現状とは大きく違うとの事です。そして何とドイツでは犬を飼う場合、年間150ユーロ
程度の犬税を納めなければなりませんし、飼育する場所の広さ等も規定されている様です。
日本の犬小屋程度では飼えません。もちろんペットショップでの販売も禁止されているとの事。
対して、日本では、江戸幕府中期、5代将軍徳川綱吉の時代に「生類憐みの令」が発布されイヌが
特に保護された時代もありますが、1973年に動物保護法が制定されましたが、一番の狙いは
国際批判を回避するためにつくった法律だそうです。その後、何度か改定されており、だんだんと
ヨーロッパの法律に近付いているなという感じがしました。
・第80回月例会 −歴史・文化に親しむ会−
テーマ: 「文化」新時代の幕開け
〜成熟社会における人々の満足・・「文化」による国づくりの時代〜
日 時: 2013年 4月24日(水曜日) 18:00〜20:00
場 所: 梅田エステート・ビル 5階会議室
講 師: 中野 順哉 (なかの じゅんや)様 (日本テレマン協会 代表)
昨年度から「ハウスコンサート」を開催していることでご縁ができましたクラシック音楽の団体
「日本テレマン協会」の代表 中野順哉様にお話を頂きました。
日本テレマン協会といえば、創設者で指揮者の延原武春さんが一般的に良く知られていますが、
中野順哉様は音楽団体の代表としては珍しく実は作家です。2011年に代表を引き継がれ、
「音楽団体のオピニオン(意識、考え方、価値)をつくる」という目標を持って取り組んで
来られたそうです。クラシック音楽がたんなる異国・異質の文化としてではなく、東アジアで
コンサートを介して地域地域のコミュニティを再生し、住んで良かった街づくり、国づくりに
貢献できる事を追求しているとの事。それが「クラシックをやる意義」だそうです。
郷土史家と一緒に地域毎に講談と室内楽のコラボレーションもその1つの取り組みだそうです。
4月27日から6月17日まで京阪神の5都市で38公演のコンサートを展開する創立50周年
記念事業「大大阪ターフェルムジーク」は、9公演を除き入場無料で、各会場での人の集いから
生まれる共感を以後のまちづくりに結び付けていく約2カ月間の「大実験ステージ」として
企画されたそうです。
Klub Zukunftの活動は、「古今東西の文化を探求する集団」として活動
していますが、その活動意義、価値は何か?我々の生活に豊かさと安らぎをもたらすコミュニティ
として無くてはならない密着した文化活動とするにはどうしたら良いのか?を考えさせるお話しでした。
・第79回月例会 −歴史・文化に親しむ会−
テーマ: 京都の木工作家に聞く伝統工芸 〜木の魅力にみせられて〜
日 時: 2013年 3月27日(水)(水曜日) 18:00〜20:00
場 所: 梅田エステート・ビル 5階会議室
講 師: 疋田 達矢 様 (木工作家)
木工作家の疋田達矢様にお越し頂き、お話頂きました。疋田様は京都で代々、京仏壇・
仏具を家業とする家にお生まれになり、知恩院をはじめ、京都・奈良など全国の寺社仏閣の
須弥壇(しゅみだん)・宮殿(くうでん)、その他各種仏具や文化財の修復などが本来の生業です。
しかし、他方では(公)日本工芸会の正会員でもあり、家業のかたわら伝統的な木工作品に
新たなデザインを加味した「飾り箱」等の作品の制作に取り組んでおられ、「日本伝統工芸展」
等で数々の賞を受賞されています。触感、視覚、臭い等体全体で「木」を感じ、そして愛し、
欅、栃、楓、楢、栗、黒柿や檜や神代杉等の銘木、古木に対話をしながら加工を加え、新たな
生命を吹き込む仕事について、お話頂きました。「最初から最後まで手作り」これが最大の
魅力だそうです。
・第78回月例会 −歴史・文化に親しむ会−
テーマ: 「グリーンマンと探検する森の国ドイツ」
日 時: 2013年 2月27日(水曜日) 18:00〜20:00
場 所: 梅田エステート・ビル 5階会議室
講 師: 溝井 裕一(みぞい ゆういち)様 (関西大学 准教授)
2010年10月の第50回月例会で「魔法使いファウスト伝説と西洋文化史」というテーマで
ご講演頂きました関西大学の溝井裕一准教授様に、再び、「グリーンマン」とヨーロッパの
自然観の移り変わりについてお話を頂きました。ヨーロッパの教会の柱や壁に植物と人面が
組みあわさった奇妙な彫刻が、「グリーンマン」です。ロマネスク建築やゴシック建築の柱や
壁に彫られたモチーフに豊富な写真をご紹介頂きながら、顔や体が葉で覆われるだけで
なく口などから蔦が生えている「グリーンマン」について説明いただきました。古代ドイツでは、
死者世界(地下)と神々の世界(天空)にまたがり、この世に聖なる力を送りとどける聖なる森
樹木崇拝から生じたグリーンマンであり、中世では、森林破壊が進んだところから、限られた
恵みの森イメージが強くなり、慈愛に満ちたグリーンマンと、恐ろしい悪魔的なグリーンマンが
制作されたとの事。そして、現代のグルーンマンは、人と自然の共生の象徴となっているとの事。
素敵なグリーンマンに出会えた一時でした。
・第77回月例会 −歴史・文化に親しむ会−
テーマ: 「英詩で学ぶ英米文化 − ブラウニング夫妻&ジョン&ヨーコ −」
日 時: 2013年1月23日(水曜日) 18:00〜20:00
場 所: 梅田エステート・ビル 5階会議室
講 師: 武田 雅子 (たけだ まさこ)様 (大阪樟蔭女子大学 特任教授)
武田雅子先生から、ビートルズのジョン・レノンとオノ・ヨーコの作った歌(英詩)の背後に英文学の伝統が
脈打っているというお話をしていただきました。日本人は、短歌の57577や俳句575という
流れに心地良さを感じますが、英詩の場合、子音を合わせるように作詞されているとお話をされ、
イギリスの詩人であるRobert Browninng、Elizabeth Barrett Browining、ジョン・レノン、オノ・ヨーコの
作った歌(英詩)を例に解説をしていただきました。中学生程度の英語力でも理解できる事、子音を合わせて
いる事、更にはRober Browningが作成した「GROW OLD ALONG WITH ME」の詩のパロディとして、
ジョン・レノンの「GROW OLD WITH ME」が作詞されている事にビックリ。「GROW OLD WITH ME」、
「LET MEE COUNT THE WAYS」、「IMAGINE」の名曲を聞き、解説をお聞きする楽しい一時を過ぎしました。