・第52回定例会 −歴史・文化に親しむ会−
日 時: 2010年12月22日(水曜日)18:00〜20:00
場 所: 大阪市梅田東学習ルーム
テーマ: 「藤野正弘の京都まち暮らし」〜私の好きな京都〜
講 師: 藤野 正弘 (ふじの まさひろ)様
(特定非営利活動法人 きょうとNPO センター 理事 プロジェクト・マネージャー)
観光客目線での京都の側面「A級京都」ではなく、「B級京都」をご案内頂きました。
1600年代から続く「みすや針」、元禄時代から続く煙管(キセル)の谷川清次郎商店等の
職人のまち、京セラ・島津製作所・村田製作所、ワコール等の京都で生まれたベンチャー
精神が息づくまち、10人に一人という日本一の学生のまち、祇園祭を代表としたまつりの
まち、36種類を超える京野菜を中心とした食文化のまち、等たくさんの京都について
お話しをしていただきました。
・第51回定例会 −歴史・文化に親しむ会−
日 時: 2010年11月24日(水曜日)18:00〜20:00
場 所: 大阪市梅田東学習ルーム
テーマ: 「ドイツの音楽と詩」
講 師:河勝 重美(かわかつ しげよし) 様 (元ドイツ・ザクセン州経済振興局顧問)
ドイツの大学で学位を取得、半世紀以上の長きに亘りドイツで生活、様々な
ビジネスの世界でご活躍になった河勝重美様をお招きしました。異国の地ドイツでの生活の
中で培ってこられた日本人としての心情を、「ドイツ音楽への親しみと詩」というテーマで
語って頂きました。
「ドイツの街は何処でも毎週2回ぐらい露天市場がたつ。八百屋に
肉屋魚屋、チーズや香料や蜂蜜だけの店もある。焼きたてのソーセージの匂いを間に挟んで、
植木屋や花屋が何時も季節の色で飾る。ハンブルク、イーゼ通りの2つの駅を結ぶ高架電車の
線路の下に向かい合って屋台の店がずっと並んで、市でも一番長いマルクト露天市がある。」
等のドイツの生活感あふれる河野様自作の詩をたくさん紹介いただきました。
・第50回月例会 2010年10月27日(水曜日)18:00〜20:00
場 所: 大阪市梅田東学習ルーム
テーマ: 「魔法使いファウスト伝説と西洋文化史」
講 師: 溝井裕一(みぞい ゆういち) 様 (関西大学非常勤講師)
悪魔と契約して魔法使いになったとされるファウスト博士にまつわる様々な噂や奇怪な
エピソードが、1587年に「ヨーハン・ファウスト博士のヒストリア」という伝説書
として出版され、ヨーロッパ中で大変な人気を博したとのことです。当時のヨーロッパでは、
ファウスト博士は15世紀から16世紀にかけてドイツに実在したとされ、彼にまつわる
噂や奇怪な出来事は「ほんとうにあった話」として語られていた様です。魔法や悪魔が
出てくるファウスト物語は現代の私たちには空想としか思えないのですが、ヨーロッパの
中世から近世には魔法信仰や悪魔信仰が日常のすみずみにまで入り込んで、魔法や悪魔に
まつわる伝承はリアリティーがある話として人々の耳に響いていた様です。溝井裕一先生
から、この時代の世界観、ヨーロッパの文化的な背景について、わかりやすく説明いただきました。
・第49回定例会 2010年9月22日(水曜日)18:00〜20:00
場 所: 大阪日独協会 会議室
テーマ: 「小さな大都市ヴュルツブルク」
講 師: 木村英二(きむら えいじ) 様 (大阪産業大学教授)
ヴュルツブルクはロマンチック街道の起点として日本でも良く知られたドイツの都市の一
つです。御招きした木村教授様はヴュルツブルク大学に客員研究員として滞在されて
おられたそうです。ヴュルツブルクのヴュルツブルク市の出資で設立したWVVという
包括的なサービス事業体、DSD社による包装容器の回収・再生を確実にする為に
メーカが包装容器の使用料をDSD社に支払うゴミの分別・処理の仕組み、ガソリン等の
石油税を増税しこれを財源に整備された環境に優しい路面電車、16年の歳月をかけて
財政難と闘いながら完成させた市街を包む環状公園「リングパーク」について、
お話しいただきました。あのシーボルトはこの街の出身だそうです。まさに、
「小さな大都市」(eine kleine Grosstadt)と呼ばれるにふさわしい街だと感じました。
・第48回定例会 2010年8月25日(水曜日)18:00〜20:00
場 所: 大阪日独協会 会議室
テーマ: 「ドイツ・メルヘン街道とグリム童話」
講 師: 竹原威滋(たけはら たけしげ) 様 (奈良教育大学特任教授)
グリム童話は、学者タイプと詩人タイプの二人のグリム兄弟がいたからこそ、
昔話を収集し、整理、改訂が繰り返された為、今の世に伝わり、世界中で読まれる
童話になったのだと改めて感じた。グリム兄弟がたどったメルヘン街道をたどりながら
グリム童話がどのように成立したのかについて写真を見せていただきながらお話しを聞きました。
法律家の父を持つグリム兄弟は、ハーナウで生まれ、リュッツェウムを首席で卒業、
マールブルク大学法学部に進学。ザヴィニー先生の影響を受け、ドイツの古文学や
民間伝承の研究に目を向ける。1829年、兄弟そろってゲッティンゲン大学に呼ばれ、
兄は司書官兼教授として教鞭を執る。1837年、「ゲッティンゲン七教授事件」で失職。
1840年に兄弟はベルリン大学の教授として迎えらる。兄のヤーコブは、1847年のフランクフルト
国民議会でも代議員に選出され、憲法草案提示の仕事をしている。グリム童話の二版目以降の
改訂は、グリム兄弟の弟であるヴィルヘルムの手によるという。政治的に目立った活躍をした
兄とよく補い合い、地道に研究を続けた結果が、世界的なグリム童話になったのであろう。
「蛙の王様」、「いばら姫」が版を重ねるたびにどのように文体が変化したかについての
お話しを聞きながら、地道な研究の足跡を垣間見ました。
「ドイツ・メルヘン街道とグリム童話」講演資料掲載作業中
・第47回定例会 2010年7月28日(水曜日)18:00〜20:00
場 所: 大阪日独協会 会議室
テーマ: 「魔女の虚像と実像」 - 飛行伝説・集団妄想・魔女狩り -
第47回定例会レジメ
講 師: 浜本 隆志 様 (関西大学文学部 教授)
グリム童話の白雪姫の「継母の王妃(魔女)が白雪姫が美しいため殺す」
というお話しは、ルーツをたどると「白雪姫の実母の王妃が、白雪姫と王との
近親相姦に恨みをいだき、殺す」というビックリするお話しから始まりました。
しかも「心臓」「肺」を王妃が食べる事は、神の肉(パン)と血(ワイン)を
信者が体に取り入れ神と一体化するという聖体拝領という宗教儀礼であるという。
先生のお話しをお聞きして、魔女か聖女かは何と紙一重の事かと感じました。
男性中心のキリスト教堅持の思想が女性の迫害へとつながり、更には世情不安が
重なって、魔女を生み出し集団妄想迫害という魔女狩り(裁判、拷問、処刑)を
生み出しドイツを中心にポーランド、スイス、フランス、イギリス、イタリア等へ
拡がった。怖さを強く感じるお話しでした。
「魔女と虚像と実像」講演資料掲載作業中
・第46回定例会 2010年6月23日(水曜日)18:00〜20:00
場 所: 大阪日独協会 会議室
テーマ: 「古代の心をメロディーにのせて」 〜万葉集に親しむ〜
講 師: 岡本三千代 様 (つらつら椿株式会社 代表取締役)
会社ホームページ
サンバのメロディで「巨勢山(こせやま)のつらつら椿つらつらに見つつ思(しの)はな巨勢の春野を」
の歌唱から講演は始まりました。衝撃的でびっくりしました。より私たちの身近な万葉の歌とするため、
1982年に万葉うたがたり会を結成し活動を続けられてきた独自のスタイルを実感できるものでした。
約30の万葉の歌それぞれの背景や解釈をお聞きしたり、それぞれの歌に独自につけられたメロディーの
演奏を鑑賞するなど、実に楽しい時間を過ごすことができました。「万葉がな」の例として、岡本様が
師事された故犬飼孝様が「万葉がな」で書かれた「石激 垂見之上乃 左和良妣乃 毛要出春尓 成耒鴨」
の色紙をそれは大切そうにご紹介いただきました。
・第45回定例会 2010年5月26日(水曜日)18:00〜20:00
場 所: 大阪日独協会 会議室
テーマ: 「疾風 480 qの挑戦 ドイツ・ロマンチク街道サイ クリング2 人旅」
講 師: 奥野 守 (おくの まもる) 様 【元 長谷工コーポレーション勤務 1 級建築士】
池内一男(いけうち かずお)様
【西宮市小学校長を定年退職後、現在 西宮市教育委員会勤務】
ガストホフ(Gasthof)を中心に宿泊しながら480kmのロマンチック街道を自転車で
走破された奥野様と池内様からその体験についてお話しいただきました。ガストホフは、宿泊もできる
レストランの様なものだそうで、ガストホフの隣には必ず教会があるそうです。言葉の不自由や地理不案内
な中、出会う人達の親切、日本との違いにたっぷり触れた体験談を熱く語っていただきました。
交通費、10泊の宿泊費等いっさいがっさいの総費用は二人でわずか25万円で実現されたそうで、
びっくりしました。
・第44回定例会 2010年4月28日(水曜日)18:00〜20:00
場 所: 大阪日独協会 会議室
テーマ: 「ユダヤ伝説の人造人間ゴーレム − その誕生と伝播 −」
講 師: 春山 清純(はるやま きよずみ) 様 (神戸薬科大学 教授)
家庭用ゲームのドラクエに「ゴーレム」が登場し、子供たちにはなじみの存在だそうだ。
ゴーレム(golem)は、旧約聖書の中で一度だけ使われ「胎児」と訳されていたが、実態は、
神の人間創造を真似て粘土で製作された人造人間(ロボット)がゴーレムと呼ばれ、
召し使いのような存在だそうだ。中世カバラ、ポーランド、プラハと時代・地域によって
異なるそのゴーレム像について、解説していただきました。
・第43回定例会 2010年3月24日(水曜日)18:00〜20:00
場 所: 大阪日独協会 会議室
テーマ: 「感情と上手につきあう」
講 師: 白石孝子(しらいし たかこ) 様
(POMR Inner Core 認定カウンセラー)
私たちは、それが起こったときの場面や状況と、そのときに感じた身体の状態とをセットにして
潜在的に「感情」として記憶している。現在の自分が置かれた状況が過去の潜在的記憶
「信じ込み」を呼び起こし、行動に影響を与えるため、なかなか願望を達成することができない。
このトラウマ的潜在記憶を解消し、肯定的な信じ込みに変える事が、「感情と上手につきあう」
ために必要だとのお話しを、いろいろ例を示しながら解説していただきました。
・第42回定例会 2010年2月24日(水曜日)18:00〜20:00
場 所: 大阪日独協会 会議室
テーマ: 「音の裏側−大阪センチュリー交響楽団−」
講 師: 出野 徹之(いでの てつゆき)様
(元 大阪府文化振興財団常務理事兼事務局長、現 大阪日独協会理事)
1967年に関西テレビに入社され、編集局アナウンス部にてプロ野球の中継や大阪国際女子マラソン、
ワイドショー等を担当された後、報道部、シンガポール支局長、海外4支局統括を歴任された後、
2002年から2009年まで大阪府文化振興財団に出向し大阪センチューリー交響楽団の運営に
携わった延べ40年の「ツトメ人生活」についてお話しをしていただきました。
・第41回定例会 2010年1月27日(水曜日) 18:00〜
「近頃の日本語」
八木亜夫(やぎ つぎお)様 (毎日新聞客員編集委員・サンデー毎日元編集長)
元サンデー毎日編集長等経て退職された後、現在も毎日新聞客員編集委員をつとめられ、
MBSテレビ「坂東英二のわがままミッドナイト」等多数のTV番組への出演や
毎日文化センターで「文章教室」講師等をつとめ、ご活躍されている八木亜夫様から
近頃の日本語についてお話しをしていただきました。「だらしない」という言葉は、本来は
「しだらない」が正しい。「ふしだら」と言うでしょう。コンビニ敬語という実に妙な
日本語も使われている。料金を支払うためお金を渡すと、「・・おあずかりします」と
言うが、預けているわけではない。・・等のお話しを実に面白くお話しいただきました。